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塗り壁の文化を伝える

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小松義夫 「地球生活記」

どのページを開いても目が吸いつけられる。何度読んでも飽きない。アフリカでも、ヨーロッパでも、アラブでも、アジアでも人々は地を掘り、岩を砕き、石を重ね、煉瓦を積み、木を組み合わせ、竹を編んでそれぞれの家を作り、暮らしを続ける。砂漠にそそり立つイエメンの土の摩天楼、仏教との濃密な関わりで暮らすブータン、猛暑や酷寒を避け、地下に築いたチュニジアの家、風土がいかに人々の生活を律しているか、住居は風景といかに密接にかかわっているか、私達は目の当りに見、納得する。どの写真からも人々の声や動きが立ち上る。写真の持つ「記録性」という原点をまざまざと見せ付けられた。(田口久美子)

あなたはアフリカといえば何を思い浮かべますか。ゾウ? ライオン? 日本の約80倍の面積のアフリカに住むほとんどの人は、野生のゾウやライオンを見たことはないということを知っていますか。ましてや、腰みのを着けて、槍を持った人などは、アフリカのどこを探しても存在しません。 本書は「ターザン」や「少年ケニア」などの絵空事の世界でない、今のアフリカに生きる、いろいろな地域のさまざまな人々の生活する場所をはじめとして、ヨーロッパ、アジア、南北アメリカ、オセアニアと、人が住み、生活しているところなら、辺境から都会まで、地球をぐるぐるまわり取材しています。 家には風土、伝統、歴史がそのままあらわれ、また、さまざまな生活を集大成し、凝縮している面があります。そういった家のある風景とともに、各地に生きる人々の暮らしや営みを、1700枚を超える写真で丁寧に紹介しています。 お子さんといっしょに、驚き、楽しく読み進んでいくうちに、きっと地球、人、家族、生活など、いろいろと考えさせられるはずです。今世紀を代表する出版物として、自信を持っておすすめします。

出版社: 福音館書店 (1999/06)



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小松義夫 「地球人記」

「みんなちがってみんないい」 衣食住はもとより、学校・トイレ・電柱・赤ちゃんの運び方・洗たくの仕方・乗り物・看板・働く子ども・髪型・遊び・温泉……、そしてゆりかごから墓場まで。地球をぐるぐる探訪し撮った、地球の上に暮らすさまざまな人々の営みを、“働く・動く”“学ぶ・遊ぶ”“着る・飾る”“住む・くつろぐ”など七章に分け、約百十テーマ、二千百五十枚の写真で構成しています。 大好評をいただいています「地球生活記」の姉妹編です。「地球生活記」は住居を中心に構成しましたが、本書は暮らし・生活がテーマです。 地球にはさまざまな場所で、それぞれ固有の文化や価値観を持つ、たくさんの人々の暮らしがあります。本書によって、同じ地球に暮らす私たちが、そのような人々のあるがままの姿を実感し、そして理解し尊重できるきっかけになってくれればうれしく思います。 どうぞご家族みなさんでお楽しみ下さい。地球人のひとりとして。

出版社: 福音館書店 (2001/06)



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小松義夫 「世界あちこちゆかいな家めぐり」

飛行機に乗り、車やバス、小舟を乗りついで、世界中のおもしろい家の写真を撮っている著者が、たずねてきた家とその家で暮らす人々の様子を紹介する。再刊。

出版社: 福音館書店 (2004/10)



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コンフォルト2002年6月別冊「土と左官の本」

 「左官」とは、土壁や漆喰壁を塗る職人のことです。土、砂、藁、石灰、そのほかさまざまな材料と水を按配しながら、機能的にも意匠的にもその場所にふさわしい壁をつくりあげます。日本では長い間、壁といえば左官による塗り壁を指しました。土間の床である三和土、かまどづくりも左官の仕事でした。多くは文字通り、その「土地」を映し出すものでした。収納物を守る土蔵の厚い壁も、朴訥としたてらいのない壁も、上品な光沢をもつ洗練された壁も、荒々しくひび割れた壁も、趣向を凝らした味のある壁も、侘びた風情を演出した壁も、左官はつくり出すことができます。材料や価値観、予算などによって、いかようにもできるというところに、現場仕事ならではの、おおらかさ、おもしろさがあります。
 しかし、ここ半世紀、本来の左官の仕事は、私たちの生活から徐々に遠くなってゆきました。時間と手間がかかる、コストが高い、標準化できないといった理由です。壁は新建材やビニルクロスなどによる乾式工法にとって代わられ、左官材料も既製品となり、工法は簡略化され、自然素材を調合しながら使うことも稀になってしまいました。左官の仕事も、基礎工事を行ったり、コンクリートの表面を直したり、タイルやブロックを張るといったように、多様になってゆきました。
 でも、そろそろ変化が始まっています。私たちは、この取材を通して、何人ものすばらしい左官の方々とその仕事に出会いました。そのたびに、いろいろなことを教えられました。混ぜて、塗って、乾かす、その自由さと無限性。驚くほどさまざまで美しい、土や砂の色。手間と時間をかけることでこそ、生まれてくる豊かさ。応用を可能にするのは技術と経験と知恵だということ。彼らが垣間見せてくれるのは、わくわくする新しい世界でした。こんなに素敵なひとたちばかりなのはなぜだろう、土に触れているせいなのだろうか、と思うくらいでした。(「左官に、土に、出会ってください。」p12より)

 本書はムックのスタイルで、豊富な写真と共に、いま再び注目される土と左官の魅力を伝える。まず、新しい左官の世界をリードする久住章さんをはじめ、各地で旋風を巻き起こしている左官たちを紹介。さらに、色土を探しに行く泥狩りツアー、世界の泥の家、建築家による土壁の現代住宅、素人たちも参加して楽しむワークショップなど、多角的な構成となっている。左官を知る基礎講座、土と左官の小史など、「知的な」ページも楽しめる。「コンセプト」や「企画」をもとに生産される商品を次々に消費するいまの時代にあって、つくることの原点が見えてくる。

コンフォルト別冊 「土と左官の本」シリーズ

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2003年8月別冊           2005年5月別冊
「土と左官の本」2          「土と左官の本」3

コンフォルト 左官関連特集号

コンフォルト日本の素材_土.jpgコンフォルト土と左官の力.jpg
2003年4月号             2007年6月号
特集 日本の素材 土        特集 土と左官の力



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