木節粘土と蛙目粘土 -愛知県瀬戸市周辺-
岐阜県各務原市の左官 増田 修
愛知県瀬戸方面の木節粘土と蛙目粘土を紹介します。このあたりでは昔、東海湖と呼ばれた湖があり、そこで粘土ができました。年代は鮮新世で600~300万年前のことです。
瀬戸地方の岩盤は花崗岩で、長石、石英、雲母などからできています。その花崗岩が風化してできた、石英の砂、粘土、また植物の炭化した亜炭などが層になって堆積しています。
木節粘土は花崗岩中の長石が化学的に分解されてできたカオリン鉱物が水に溶けて堆積したものです。木節粘土は外観が木の節に似た、黒色や褐色の艶のある粘土で、中に炭化木片や有機物を含みます。色により白木節、黒木節と呼んでいます。
蛙目粘土は粘土層中にかなり大粒の石英粒を含みます。雨の後などに粘土の表面が洗われると石英の粒が現れて、ちょうど蛙の目玉のような外観があるのでこの俗称があります。
(以下画像はクリックすると大きくなります)
写真1 伊藤鉱山ではすり鉢状に深く削られている様子が道路沿いに見学できます。
(豊田市八草町)
写真2 豊徳鉱山では風化侵食した山が特徴的です。
(豊田市八草町)
写真3 印所鉱山です。(愛知県尾張市有林鉱山)
面積 17.643アール 鉱区
面積 4.325アール 鉱区
(瀬戸市西印所町)
写真4 八坂鉱山の珪砂工場です。珪砂を精製している工場では、選鉱機で珪砂の中に含まれている重鉱物(磁鉄鉱、ジルコンの結晶、輝石、ザクロ石)を選別しています。
(瀬戸市品野町)